カイシャ工房代表の山田です。
前回、前々回からの続きです。
記載している内容は概ね同意でき、カイシャ工房で行っていることや目指すビジョンとも非常に近いものがあり参考にさせていただいてます。
そこで書かれている3つの焦点(原題が「The Triple Focus」)に着目していきたいと思います。
3つの焦点とは、
①「自身」(inner)
②「他者」(other)
③「外の世界」(outer) のことです。
その中でも今回は、「外の世界」(outer)について書いていこうと思います。
外の世界と繋がるとはどういうことか?
自分自身に着目し、他者のことも目を向けられる状態になっている。
とても理想的な状態に近づいていますが、まだ少し足りません。
最後に必要になることが、「外の世界に目を向ける」ということです。
自分たちのいる世界のことや、経済といったより大きな状況についても感知できることは、非常に重要な能力です。
変動のスピードが早い昨今において、自分という存在が感じていることに気づき、理解し(inner)、そこから「他者」を理解し(other)、「より広い世界」へとつながって変化を生み出していく(outer)、その具体的な筋道を開いています。
ピーター・センゲは、世界を理解するとは、システムがどう相互作用し、そこで、どのように相互依存する関係性を作り出しているのかに気づくことだと述べています。
世界を理解するのに必要なシステム思考
システム思考は「Aが原因となってBが起こる」とか、「問題には1つの正解がある」といった、伝統的な教育で教えられてきたこととは全く違います。
システム思考とは、お互いに影響しあう要素や構造を一つの「システム」として捉えて、それぞれの要素が与える影響や作用を一つの「図」に落とし込むことで、全体像を把握して、課題解決や施策を検討するための手法です。
図でいうと、氷山モデルや因果ループ図などが有名です。
物事が様々なことと影響しあっているという知性は、自分や他者を理解する生来の能力と同様に、意図して養っていく必要があります。
私たちが危険を知覚するとアドレナリンが分泌され、その瞬間に脅威の可能性のある対象に注意が集中します。
それと同じように、落ち着いて自分の内面に対しても外側の世界に対しても、より広い状況に注意が向かうのは、私たちが安全を感じて、いまの瞬間の全体像に対する気づきを得たときです。
このようなシステム思考の力を育むことで、私たちが直面している社会や環境などの課題に対する、生徒たちの自己効力感を高めることに繋がります。
システム思考を育むコーチング
システム思考を育むために、カイシャ工房ではコーチングを利用しています。
コーチングの概要についてはこちらをご覧ください。
コーチングで自己との対話が促進されることはもちろんですが、そこにどのような影響があるのか、自分の行動がどのような影響を及ぼすのか、というところまでメタ認知することができるようになります。
コーチングを進めていくことにより、自分の行動を客観的に見れるようになり、そこから他者への影響を考えることができるようになっていく、というシステム思考の因果ループ図が形成されるのです。
さいごに
教育は、実は様々な理論が実践されています。
公教育が変えづらいのは仕方ありません。税金で運営しているため、変化のコンセンサスを得るのに時間がかかります。
民間教育では、すでにエビデンスのある理論をどのように実践するかで教育の変革を加速していくことができると思っています。
私自身も学びを継続しながら、より効果的な教育を実践していけるよう精進していきます。